ファショコン通信

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KAMISHIMA CHINAMI 2009-2010 A/W ショーレポート

日時: 3月23日(月)17:30~
会場: 原宿クエストホール
今季のカミシマチナミのテーマは「モザイク(MOSAIC)」。一つの生命体に、一つあるいはそれ以上の異なる形質が体の部分を変えて現れ、共存する現象を表現したそうだ。また、これとは他に、床や壁の表面にタイル・ガラス・大理石・金属等の細片を貼り付けして図形や模様を表す建築の装飾様式の意味も込められているそうで、上記2つのイメージの表れとして、レディースとメンズのディテールの2つの側面を1つのアイテムに混在させたアイテムや、幾何学的な模様のプリントが施されたアイテム等が多く見られた。
例えば、1枚目写真のウール100%のチャコールグレーのロングジャケットや2枚目写真の綿60%・リネン40%のセピアブラウンのジャケットには、肩部分や両腕部分にプラスティックの廃材が無数に取り付けられており、視覚面での幾何学的な印象が、上記のモザイクの2つ目の意味合いを表現されるようになっている。尚、このプラスティックの廃材のうちで、灰色のものは、北海道にある空気清浄機を作っている工場で出る産業廃棄物なのだそうだ。デザイナーが偶然工場に訪問した際に、空気清浄機等の空気穴を作る時に切り取られたプラスチック片を見つけ、何かに利用できないかと、大量に貰ってきたのだそうだ。また、オレンジやグレーの物は、プラスティックの廃材を再生して作られたプラスチック板なのだそうだ。過去のショーにもいくつか登場した手の込んだアイテムと同様、これらのプラスティックの廃材も、スタッフが1つ1つで作業で取り付けたのだそうだ。
3枚目写真の絹100%のブラックのワンピースは、胸部分等の生地が二重になっている一方で、両腕部分は一重の生地で構成されており、このような様々な枚数の生地で構成されているという意味で、上記のモザイクの1つ目の意味合いを表現されるようになっている。
4枚目写真の絹100%のナイトブルーのワンピースは、腰部分から上のパーツがメンズテイストな薄手のジャケット状になっており、その下の部分は膝丈のスカート状になっているという意味で、上記のモザイクの1つ目の意味合いを表現されるようになっている。また、スカート部分に施された「ナイトレイン」プリントは、幾何学的な模様であるという意味で、上記のモザイクの2つ目の意味合いを表現されるようになっている。尚、このプリントのモチーフとなっている場所は、アンコールワットなのだそうだ。
5枚目写真のウール100%のチャコールグレーのヘリンボーンのベストは、前身頃はロング丈のマスキュリンなベストになっているが、後身頃部分は大きく背中の開いたセクシーなシルエットとなっているという意味で、上記のモザイクの1つ目の意味合いを表現されるようになっている。
全体として、2つの意味合いを持つテーマを、個々のアイテムに複雑に絡めることに試みていたという点において、インパクトがありながらも深みを兼ね備えたショーであると感じられた今季のショーであった。













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